各駅停車の電車の中。
クーラーが効いていて寒いくらいだった。
いつだったかな。
こんな風に空いている電車の中で、キスをしたね。
またこんなことを思い出してしまう。
終わったんだから。
たっくんはもう私の彼氏じゃない。
『今日はたっくん何してるかな』って毎日考えていたけど、もうそれも終わり。
たっくんはもう、私には関係のない人になるんだから。
ブレスレットに触れる。
思い出のブレスレットは、まだ私とたっくんが別れたなんて認めたくないみたい……
だからしばらく外せない。
溢れ出てくる涙は、頬を伝い、スカートを濡らす。
電車の窓から見える街の灯りが、イルミネーションみたいにキラキラと輝いて見えた。
電車が停まる。
私は降りて……
改札を通り……
今日は歩いて帰ろう。
バスに乗らずに、歩こう。

