2時間、いろんな話をした。
今日で別れるカップルには見えなかったと思う。
ずっと笑ってた。
久しぶりだった。
やっぱり私とたっくんは気が合うんだなぁってつくづく感じた。
だからって、たっくんが『もう一度やり直そう』って言ってくれることはない。
『最後』だから、こうして楽しく話せるんだね。
お互いに、ちょっとだけいつもより優しくなれるんだね。
もうたっくんからの電話を待つこともない。
週末をたっくんの為に空けておく必要もない。
会社の先輩からしつこく誘われているコンパだって、断らなくてもいい。
たっくんのこと、何にもわからなくなるんだね。
今日は飲み会なのか、残業なのか……
仕事で嫌なことがあっても、私には言ってくれないんだね。
当たり前だけど、彼女じゃなくなるってことは、何も情報が入らなくなるってこと。
先生と直みたいに、別れても学校で顔を見れるわけじゃない。
本当に会えなくなるんだね。
街で偶然会うことなんてないだろうし、一生会えないかも知れないんだ。
たっくんに彼女ができてもわからないし、たっくんが結婚してもわからない。
たっくんは遠い人になるんだ。
不思議だね。
あんなにも一緒にいたのに……
いっそのこと、たっくんが家族だったら良かったのに。
もしたっくんがお兄ちゃんだったら恋することはできないけど、一生たっくんと離れないでいられる。
いつもそばでたっくんを見ていられる。
他人……なんだね。
『愛』っていう目に見えないものだけで繋がっていた私とたっくんは、その『愛』がなくなれば、ただの他人になってしまうんだ。

