『お別れ』なんだね、私達。
直と先生みたいになりたくて、頑張ってきた。
でも、やっぱり私達には無理だった。
直なら、きっと……
仕事で大変な先生を支える為に、自分の気持ちを我慢して尽くすんだろうな。
私はいつも自分のことでいっぱいだった。
常に「私はどうなるの?」って心の中で考えていたのかも知れない。
いい彼女ぶっていたけど、ちっともいい彼女じゃなかった。
自分の幸せを最優先に考えていた。
だから……
だから、こんな終わりを迎えてしまった。
待ち合わせの居酒屋の前。
スーツ姿のたっくん。
直が先生のスーツ姿が好きだとよく言っているせいか、私もたっくんのスーツ姿が大好きになった。
ちょっと疲れた感じで、ネクタイを緩める仕草が好きだった。
たっくんは、店の前に立っていた。
ポケットに片手を入れて、もう片方の手には重そうなビジネスバッグを持っている。
そんな悲しい顔しないで。
もう会えないみたいな顔しないで。

