「金森が抱えていた悩みもようやく少し見えてきた。明日からはちゃんと話せるんじゃないかな」



心からほっとした表情をしていた。


先生、本当にお疲れ様。




金森先生のしたことは、すごくショックだったけど、そこまでしちゃうってことは、それだけ何か心に闇を抱えているってこと。




「先生はやっぱり最高の先生だね」




照れ臭そうに鼻先を触った先生は、焼肉屋につくまで今日の出来事を話してくれた。




先生は言った。



怒鳴りたかった。本当は、顔を見ると怒りが込み上げて来て、どうしようもなかったと。


俺の大事な奥さんを泣かせたんだぞ!って言ってやりたかったけど、我慢したんだって言ってた。



ただの男と女の問題なら、俺はどんなことをしていたかわからないって先生は笑った。



金森さんは教育実習生であり、元教え子だから、やっぱり見捨てるわけには行かなかったのかな、と窓の外を見ながら言った。






尊敬するよ、先生。


先生はそういう人だから、私はどんどん好きになるんだよ。



あぁ、どうしよう。


私、本当に好きだ。



先生が好き。


和人が好き。


たまらなく愛しいよ。