ピンポーン



帰って来た旦那様は、涙が出ちゃうくらいに幸せそうな顔をしていた。


その顔を見て、心から幸せだと思った。



「直~!行くぞ?肉、肉~!」



先生がこんな風に子供みたいにはしゃぐことって珍しい。


よっぽど辛かったんだね、先生。



そして、ようやくその問題の出口が見えてきたんだね。



先生、よく頑張ったね。


私、力になるどころか、足を引っ張っちゃった。




「先生、嬉しそう」



鼻歌交じりで運転する先生の横顔を見つめながら言った。



先生は意味深に微笑みながら、私の髪をぐしゃぐしゃって撫でてくれる。





「俺、何もしてないのに、解決に向かってる。俺のクラスの生徒、まじ最高~」



先生は私達の担任だった頃もよく、私達を褒めてくれた。


お前ら最高って言ってもらえると、本当に嬉しくて、ずっと先生の生徒でいたいと思えた。



「私達より最高?」



ちょっぴりいじわるを言ってしまう私。


やっぱり、超えられると寂しいんだよ。




「ん?お前らが1番だけどな。高校生の成長ってすげーなって改めて感じたな。教師していて良かったと思える瞬間だな」




ん?って言って私の顔を覗き込んだ先生の表情がかわいくて仕方ない。




目がくりくりってして。


唇ちょっととんがらせて。


子犬みたいな顔。