真っ白な便箋に書かれたラブレターは3枚もあった。
宝物だよ、先生。
退場の時、やっとお姉ちゃんの姿を見つけた。
後ろの方で隠れていたようだ。
「お姉ちゃん、ありがとね!」
お姉ちゃんに駆け寄って、手を握った。
「はいはい!!もういいから、早く用意しな!」
照れてるお姉ちゃん、かわいいな。
お姉ちゃんが言った『用意』とは……
婚姻届を出しに行く用意のこと。
私と先生は、結婚式当日に籍を入れたいと思っていたので、忙しいけど3次会の後に提出することにしていた。
運転手をしてくれる先生の弟、誠人さんはお酒を飲まずにいてくれた。
ずっと昔から友達のようなお姉ちゃんと誠人さん。
「誠人!そこ、右だってば!!」
「うるせーな、奈美!」

