「もしもし、要君?!」



『もしもし!直っぺ!久しぶり。今、電話して大丈夫?』




相変わらず要君は、爽やかだ。


直は、また俺から逃げようとしたが、俺が耳にキスをすると、直は大人しくなった。



ごめんな。


俺、心配だから。


要君は、今でもやっぱり俺の中で気になる存在なんだ。



直と要君は、しばらくお互いの仕事のことを話していた。




『そうそう!今日電話したのは、卒業旅行のことなんだ。忙しくて行けなかったから、どうかなと思って。桃子と美穂にも電話したんだけど電話に出なくてさ。あゆみには、慎司から伝えてもらってる』





要君を好きだと言って、直と三角関係になっていたあゆみって子は、要君の親友の真崎慎司って子と付き合うことになったらしい。



人の気持ちってわからないもんなんだな。




ちらっと卒業旅行の話を聞いたことがあったけど、みんな忙しくて実現しなさそうと直は言っていた。



俺は安心していた。



だって!!


卒業旅行だぞ?




女同士じゃないんだぞ。




男が2人も!!



しかも要君が一緒で、泊まりの旅行なんて……心配すぎて、眠れないじゃん、俺。