先生、話してね。



全部。





「何度も言うけど、俺は卒業までお前を抱かないつもりだったんだぞ」




海岸を歩きながら、先生は頬を膨らませながら振り向いた。


先生の大きな背中を見つめる。





「ほら」



先生の左手が私の右手を包む。




懐かしい匂いと音。




「先生、元気?」




私は先生の手の指にしっかりと自分の指をくっつけた。




前にここに来た時にはなかったコンビニが遠くに見えた。


何台かの車とバイクが停まっている。





「元気だよ。今は直がいるから」