「もうちょっと見守ってやってよ。たっくんのこと。中田が見捨てたら、たっくんはまた夜の街に逃げるから」




先生は、腕組みをしながら、少し笑った。


ゆかりも思い出し笑いをした。




「私が捨てられるって思ってた。最近のたっくん見てて。でも、先生の話聞いてると、私がたっくんのことを冷めた目で見ていた部分もあるのかな」



ゆかりは、ブレスレットをまたクルっと回して、自分自身の心と向き合うように目を閉じた。



「うん。私も、反省しなきゃね」


ゆかりは、すがすがしい笑顔で、私と先生を交互に見た。



「夏になったら、4人で海でも行くか。それまでに仲直りしとけよ!」

  




先生の突然の提案に、1番喜んだのは私だった。




たっくんとゆかりと私と先生……



この4人で海なんて、楽しみ過ぎる!!!