直よりも1年先輩である金森。


直は全く彼女の存在を知らないと思うが。



卒業式まで何も積極的なアタックを受けていなかったから、直にも話してはいなかったが、その頃、俺はもう直を愛していて……



その卒業式の時期というのは、俺が1番辛い時期でもあった。


直に別れを告げられたあのバレンタインの後だった。




金森の顔を見て、あの頃を思い出してしまった。


直がいなかったあの寂しい時間を……





やべぇ。


さっきまで直と一緒にいたっていうのに、もう直に会いたくなってきた。





今、直を抱きしめたいよ。




直、俺は……お前がいなかったあの頃、本当に苦しかった。



毎日、生きていることが辛くて寂しくて、現実を受け止めることができなかった。



直と結婚して、もう直がいない時間なんて俺にはない。


だから安心していた。



でも、今……


鮮明に蘇ってきた。





あの日々が……