ゆかりとの時間は魔法の時間。


教育実習の女の子のこと、全く考えていなかった。



ゆかりと別れて数分後、携帯に何も連絡がないことに気付いて、不安になった。





「はぁ…… 信じなきゃ」




自分に言い聞かせる。


どんな仕事をしていても、歓迎会や送別会はつきもので、先生はまだ少ない方なのに。



たっくんや龍も飲み会が多いし、朝方まで飲むこともあるらしい。





先生だって、本当は時々は友達や同僚の先生と飲みに行きたいのかな。



先生は、本当に滅多に飲みに行かない。



絶対に行かなきゃいけないこういう飲み会だけ。




私の為……なんだよね。


私、愛されてるね。


それなのに、何を心配してるんだろう。




先生は教師で、その高校に来た教育実習の先生に慕われることは嬉しいことだし、それを喜べないようじゃ先生の奥さん失格だ。