「たっくん、しっかりしちゃったね~!」


私がたっくんにそう声をかけると、先生も私に続く。



「だろ?俺も別人かと思った。あのちょっとおバカで、弱虫なたっくんはどこ行ったんだろうな。すっかり社会人になってるよな」


先生は、たっくんの肩に手を回して、感慨深い表情で微笑んだ。


「たっくん、大人だね~」


依子がたっくんを見上げて、そう言うと、ゆかりはケラケラと笑い出した。



「中身は昔のままだよね、たっくん!」




たっくんは照れくさそうにゆかりの言葉に頷いた。


うまく行っていないわけじゃないようだ。


一緒にいる時間がなくて、寂しいだけなんだと思う。




このふたりも絶対に結婚すると信じてる。


もう、ゆかりの涙は見たくない。