夕食の準備を途中で止め、先生とお風呂に入る。



旦那様になった先生は、仕事から帰って来た時間帯が1番甘えてくる。


それだけ、仕事が大変だってことだと思う。




だから、私は先生が家に帰ってくるまでに絶対に家に帰って、先生を迎えてあげたい。




私と一緒に暮らす前は、先生は一人暮らしだったから、一人で帰って何をしていたんだろう。





疲れた~って言いながら、一人でコーヒーを飲んでいたのかな。





「今日どうだった?」



友達から結婚祝いにもらったバスグッズの中にあった、バラの形をした入浴剤。



湯船に浮かべると、先生の体に吸い寄せられるようにくっついて、お湯をピンク色に染めながら消えていく。





「意見の合わない先生がいて、熱くなっちゃった。俺の悪い癖だな」




先生は、浮かんだバラの花びらを私の肩に乗せながら、苦笑いをした。




「悪い癖じゃないよ。先生のそういう所が、かっこいいと思う。熱くなってくれるから、生徒に慕われるんだよ」




先生は、そうかなぁと言いながら、ピンクのお湯に顔をつけた。