「喜多先生、本当にお世話になりました」


西山が部屋を出た後、喜多先生の入れてくれたコーヒーを飲んだ。


「いやいや。幸い、家の方が無事で良かったな。最初にこんなどでかいハプニングが起こると、これから先は穏やかに暮らせる気がするな」



そうだな。


嫌なことは最初に全部終わらせた方がいい。




「そうですね。最初聞いたときは、本気でびびりましたけどね。でも、守る人がいるっていうのは、いいですね。自分でも驚くくらいに強くなれる気がします」



「おお~!朝からノロケか?新垣先生の奥さんは幸せだな」




幸せなのは俺の方。


直が俺を変えてくれた。



単純だけど、男って褒められると嬉しいから。




直が『先生かっこいい』とか『先生と結婚して良かった』とか言ってくれると、すごく幸せな気持ちになる。



だから、この先何年、何十年と直にそう言ってもらえる俺でありたい。



生徒達に『結婚って最高』ってずっと言える俺でいたいんだ。