「お父さん!!ありがとうございます。ご心配かけてすいません!!」



マンションの前に立っていたお父さんが、神妙な顔つきで手をあげた。




「すまんな。せっかくの新婚旅行なのに。連絡するかどうか迷ったんだけど」



「いえいえ!連絡してもらって良かったです!俺と直は何があっても大丈夫ですから」




先生はそう言って私の肩をポンポンと叩いた。



先生の笑顔を見て、お父さんも安心したようで、表情がやわらかくなっていた。



「誠人君、管理人さん呼んで来てくれるか?わしは、警察に連絡する」




すっかり仲良しコンビになっているお父さんと誠人さんが面白かった。


この空き巣事件で、2人とも仕事を休んで朝から動いてくれていた。