飛行機が雲の上まで行った頃。
突然私の目に涙が溢れた。
悲しいというより、悔しかった。
「直、夏休みに北海道でも行くか」
突然泣き出した私に先生が優しく声をかけてくれた。
手をぎゅっと握ってくれて、その手を先生の太ももの上に置いていた。
今日の晩御飯、海辺でのBBQ……
想像しちゃうんだ。
もしも、こんなことにならなかったら、どんな思い出ができただろうって。
先生はどんな顔をして、どんな話をしてくれたんだろうって。
明日はのんびりする予定だったから、2人で買い物をしたりブラブラしたのかなって。
最後まで楽しみたかった。
いろんな先生を見たかった。
どうして……
どうして……