先生はベッドの端に座り、私の手をぎゅっと握ってくれていた。 あの時と同じ。 私には、この手が必要。 この大好きな手がなければ、怖くて怖くて震えが止まらないんだよ。 何があったんだろう。 海外にまで電話をしてくるっていうことは…… ちょっとの用事では連絡なんてしないはず。 何があった? 大きな出来事だよね? どうしよう。 嫌だよ。 お父さんに何かあったとか、お母さんに何かあったとか…… 「あ、繋がった」 先生は、もう一度強く私の手を握ってくれた。 「もしもし!!和人です」