「先生!?」


「いいからいいから。」


先生は笑いながら私の手をギュッと握る。


私が何か言おうとすると、ちょうどコンサートが始まってしまった。



ピアノ、バイオリン、フルート…


次々と紡がれていくメロディーに会場は酔いしれている。



隣に座っている先生も…。


けれど私は……



何故か音楽よりも、先生の手が気になってる…!!



ずっと握られたままの手。

大きくて温かい先生の手に私の神経は集中しちゃってる…。