子供じゃない。

「ただいま」すごくうれしそうな声で母さんが帰ってきた。

「おかえり」と三人で言ったが出迎えはしない。

「なによ、出迎えなし」と、玄関先で母さんが文句を言いながら部屋のドアをあけた。

母さんの表情がみるみるうちかわっていく。

涙をこらえ、精一杯の笑顔をみれた。

そう言えば、小さい頃、母さんの綺麗な顔が自慢だったのを思いだした。

少し、痩せた気がするけど美人だ。