【大賞】六天ニ花雪ノ舞フ

「かえして」

少女は、空をにらんだまま、決然と、言った。

「この町を、かえして」

少女は、拳を握りしめた。

「みんなを、かえして」

少女の願いを、青空は、あざ笑う。

この空から、悪魔が、やってきたのだ。

彼女たちの町を、破壊し尽くした、悪魔のような戦闘機が。