そして電車に乗り、いつか連れて行って貰った事のある海沿いの寺へと一人やってきた。

墓石は二つあった。

一つは父方の墓。

もう一つのみすぼらしい墓には、父方の未入籍の女性達が一緒に入っていると言う話だ。

真昼はバケツに水を汲むと墓石にかけて、墓石の前に座り、手を合わせ、亡くなった祖父に話しかけた。

「おじいちゃん。
私は悪い子だけど、幸せになれますように。」