真昼はすぐに町の一角の古びたスナックの裏へ回った。

そしてそのビルのエレベーターに乗り込むと、最上階を押した。

そしてそこの屋上のある隠れ家に入り、膝を抱えて瞑想し、あの頃に意識を集中させて、再び外に出た。

小柄ながらも、キュートな魅力一杯の大人の真昼がそこにいた。

真昼はゆっくりと階段を降りてゆき、見慣れたその店のドアを開いた。

カウンターまでまっすぐ歩くと、

「この席に座って構わない?

目が悪いから、スクリーンの文字が見えなくて。」

「どうぞ。」

マスターがおしぼりを広げて渡した。

真昼は熱そうにオシボリを開いてヒラヒラと降って冷ましてから手を拭くと、カウンターの上のオシボリが入っていた袋の上に畳んで置いた。