あれは、真昼が再就職についた頃、遊び慣れない夜の街で一軒しかなかった行きつけのスナックのマスターが連れて行ってくれたお洒落なスナックでの事だ。

店は煉瓦作りの内装で、壁に牢屋をイメージした酒蔵があり、洋風の洒落たムードの、照明効果も抜群の大人っぽい店だった。

従業員はマスターの他には大学生の男の子のバイトが二人だけだった。

真昼は職場の女友達と連れだって毎日のように閉店までその店にいるのが普通になった。

真昼は本当はトモと言う男の子がタイプだったが、まだ処女の、男の子と何故か縁がないA子がトモを好きになったので、応援しているうちに、真昼はもう一人の背が高く、長い指が綺麗なタカが気になるようになった。