次の日、学校から帰って来た真昼は、路地の塀の壊れた部分から入り込んだ。

そこには青い顔をした静香が座っていた。

「静香さん、幸せになりたくない?」

静香は振り向くと、

「真昼ちゃん!
どうしたの?」

静香の腕には、もう白い痕になった縫い傷があった。

「あなたも知っている通り、私は時間を行き来して、大人にも子供にもなれるの。
静香さんの恨み晴らしてあげる……。」

「何を言ってるの?」

「まかせていて。」

真昼はそう言うと、もと来た入り口ではなく、向こう側の塀に吸い込まれるように消えて行った。