それをうまく利用し、自分の未来までもを見てきた真昼は、自分の意思で、高校生で自分の時を止めていた。

ずいぶん長く生きて、不幸を繰り返しあげく、自分が一番毎日が楽しかった16歳として生きているのだ。


ガサッガサッ……。

いきなり怪しい音がした。

その音に、真昼はキョロキョロとした。

真昼は気づかなかったが、頭上の電柱の上に、四つん這いのように手足を縮めた人間が真昼を見渡していて、真昼が通りすぎるとどこかへ消えたのだ。

「いつまでも高校生って言うのもね……。」

自分の家に帰ると、ただいまだけを言い、2階の自分の部屋に入り、鍵をかけた。