そんな住職には一人娘がいた。

名前は美夜。

ケンと同じ年だ。

住職夫婦は美夜をとても可愛がっていた。

色白で性格もいいらしい。

「父さん…!」

本堂から美夜が住職を呼んだ。

「美夜…!
出て来ちゃ駄目じゃないか。」

住職がそう言うと、美夜がまたいなくなってしまった。

よっぽど大事にしているらしい。