瞬間、何が起きたのかわからなかった。

ケンの腕の中から、真昼が消滅してしまった。

「真昼……?」


真昼は、真昼で、自分がどうなったのか分からなかった。

たどり着いた町をフラフラ歩いていた。

(ここは……?
見覚えのある水子地蔵だ。)

「どなたですかな?」

いきなり声をかけられた。

驚いて振り向くと、寺の住職だった。

「真昼ちゃんじゃないか。
上がってお茶でも。」

真昼は素直に本堂に上がった。