真昼……

真昼……

どこかで真昼を呼ぶ声がした。

真昼ちゃん…

真昼ちゃん…

はっ…

真昼は目を覚ました。

「どうしたの?
こんなとこで寝ちゃって…。」

保健の先生であった。

(私を呼んでいたのは保健の先生だったのかしら?)

「もう大丈夫です。」

真昼は一礼して保健室を出て、校庭へ行った。

灰色の雲が渦巻き、その中央にぽっかり穴が空いているように見えた。

(何だろう。
この妖気は……。)

真昼は嫌な胸騒ぎを感じた。