やがて高校を包む山々は夕陽で紅く染まり、夕陽もいつの間にか山に沈み、暗い夜の雲が早く流れだし、いつしか丸い月が浮かんだ。

真昼はコンクリートの上に座り込んでいたが、立ち上がるとポンポンとスカートの砂を払い、下へと階段を降りて行った。

すでに校舎も暗く、誰もいなかった。