その時、真昼には線路から沢山の手が伸び、直哉の足を引っ張っているのが見えた。

家に帰ると、芳恵が訪ねてきた。

「真昼……直哉が。」

「芳恵!しっかりして!
どうしたの!?」

真昼は芳恵から直哉が死んだ話を聞いて、本当は知っていたが、

「可哀想に、芳恵。」

と、抱き締めた。

「これで芳恵は幸せになれるわ……。」