しばらくして、ケンが林檎のジュースとグラスを手にやって来た。

グラスに林檎ジュースを注ぐと真昼に渡した。

「ありがとう。」

真昼は受け取ると一口、ふた口とまた飲んだ。

「おいしい。」

するとケンが言った。

「随分と疲れているようだから、今夜は親にうまく言って泊まった方がいい。」

空になったグラスを渡しながら、真昼が、

「うん。」

と、答えた。

そしてケンが降りてから携帯を出すと、今日は友達のうちに泊まるからと電話を入れ、そのままぐっすり眠った。