次の日、真昼はケンに来いと言われていたが、体調が優れず家に帰ろうとしていた。

小さな路地にさしかかった時、急に立ちくらみがした。

「危ないっ!」

誰かが真昼を抱きとめた。

「あなたは…?」

真昼は朦朧としながら相手の顔を見た。

「三味線の勇次?」

そう、その男は若き日の三味線の勇次とそっくりで、かなりのイケメンだった。

しかもまげがある。