「何か言った?
家族が心配するから帰るわね。」

ジャージを来て真昼は帰った。

「明日来いよ!
話があるんだ!」

「気が向いたらね。」

真昼は帰りにコンビニに寄り、いつもの橋を通った。

また柳の木のそよぐ下で、真っ白な太股を露にした女が薄笑いをして立っていた。

また餌を待っているのだろう。

「ヒッヒッヒッ……

あんた、血の匂いがするね。」

女が真昼にそう話しかけた。

「これ、あげるわ。
今日はありがとう。」

真昼はそう言うと、コンビニの袋を女にグイッと押し付けた。

「あら~。これは上等の油取り紙と紅じゃないかい。
悪いねぇ~、頂くよ。

イッヒッヒッ……

気をつけて帰りな。お嬢ちゃん。」

真昼はスタスタと夜道に消えていった。