執事とお嬢様、それから私




「で、話って?」


リビングに座るあやなと傍らに立つ執事…

庶民の家には似つかわしくない光景だな。


「すかうとにきましたの!!」


いれてやったミルクティーにまたぶつくさ文句を言いながら飲んでいたあやなが元気よく顔を上げた。


「スカウト…?」


「お嬢様が貴方の事をいたくお気に入り召しまして、旦那様にその旨申し上げた所、ぜひ西園寺家執事にならないか、と。失礼ながら、身辺調査もさせていただきました。衣食住は提供するとの事です。」

「いや…俺まだ18だし、執事っても…」


「大学までは出ていただきます。資金は、出世払いということで。貴方は大変、成績優秀だ、と聞きました。ここ数ヶ月を除けば素行も大変良い。」


「…」


「和之、どう?アナタはこんなとこでくさっていいような人でなくってよ?」