執事とお嬢様、それから私



「和之サマ、この度は綾那様をお連れいただき、誠にありがとうございました。私の不手際が原因で、このようにお手を煩わせてしまったことをお詫びします」

あやなの執事…つーか日本に執事なんて職業あったんだ…が深く頭を下げる。


つれられた一室は、俺んちの10倍はあるだろう広さで、そこのテーブルに座らされるが、どーも落ち着かない。

さらに頭を下げるこの執事サマ、さらに落ち着かない。

だって普段人にうとまわれる事はあっても礼を言われる事なんてないから。


「いや…まじ別にいいですから…」

俺がそう言うと執事サマ、は胸から一枚の紙切れをとりだした。


「このような形でしか、お礼出来なくて申し訳ありませんが、お好きな額をお書き下さい」





・・・・小切手ってものを初めてみた18の夏でした。