* * 「奈由?」 ドアの外から心配そうな声がする。 いつもなら、呼べば速効で飛んでくるあたしが中々、来ないことに不思議に思った、お姉ちゃんだ。 あたしは お姉ちゃんが大すき。 恋の相談だってしたことあるし、姉妹っていうより、友達みたいな感じだった。 それでも秋人のことは 誰にも話したことがなかった。 もちろん。 お姉ちゃんにも――