「あのっ、はい。それだけです…。」 席もいつの間にかたっていたらしくて、急いで座る。 沢北さんわ、全然恥ずかしそうな素振りも全く見せずに、笑っていた。 「ありがと。」 しばらくして、ボソッと沢北さんわ言った。 そしてゆっくり、あたしの手を握った。 「ちょっ、あの…」 どんどん顔が赤くなっていく。でも、沢北さんも同じくらい赤くなっていた。 「沢…北さん?」 こんな状態に免疫のないあたしわ、ろくに顔も合わせられない。