光を背負う、僕ら。―第1楽章―




「実は母に……ピアノを弾くことを反対されているんです。
母がピアニストを引退した頃から、最近までずっと。
ピアノを久しぶりに弾いたのは、ここ数ヶ月の間だけです」



「そんな……まさか」




学園長は体の前で組んでいた両手をほどき、片手を口元に当てて信じられないと言うように目を見開いた。



あたしの口から飛び出した真実は、学園長にとっては初めて知ることばかり。



ましてやそれが自分の予想外のことばかりだから、なかなか全てを受け入れられずにいるみたいだった。




「まさか……そんなことあり得るはずがないと思っていたのだが…。 本当にそんなことになっていたとは…」




思い悩むように俯き、学園長は目頭を強く押さえる。



消え入りそうな呟きはやけに謎を帯びていて、あたしは遠慮がちに口を開いた。




「あっ、あの。 それって、どういう意味なんですか……?」




そう尋ねた直後、疲れはてたような溜め息が聞こえた。



ゆっくりと頭を上げた学園長の表情は、納得しているようなのにまだ信じられていないみたいだった。