光を背負う、僕ら。―第1楽章―




「この二つの制度を取り入れたことで、落第者もかなり出たんだ。
だからこの取り組みは失敗と言う者もいたそうだが、成功だと言う者の方が多かったそうだ。
生徒逹の実力が、以前に増して伸びたからね。
それに何より、生徒逹の向上心が沸き立ってくるのが目に見えていたのだから」




学園長の瞳は、どこか誇らしげだった。



この学園のことを誰よりも知っていて、誰よりも好きな人。



そんな人にしか出来ない表情で話していた。




「そして君のお母さんも、その制度を利用した一人だ。
彼女がこの学園の試験に合格したときは、世間が注目したよ」



「…母は、その頃からピアノが上手かったんですか?」




ずっと黙っていたあたしが、学園長の言葉に誘われるように口を開く。




知りたい、と思った。



高校生の頃のお母さんが、他人の目にどう写っていたのか。



お母さんから聞いただけじゃ分からない、かつての天才少女のことを…。




学園長はいきなり口を開くあたしが意外だったのか、目を丸くしてあたしを見ている。



でもすぐにふっと口元を緩めて、また静かに言葉を放つ。