光を背負う、僕ら。―第1楽章―




そういえば。


さっきこの学園長室に招かれた時も、学園長はあたしに有無を言わせない状況にしていたんだっけ…。




そのことを思い出した今、もう何を言っても断ることが出来ない気がした。




「…じゃあ、アイスコーヒーでお願いします」



「ミルクと砂糖は?」



「ミルクでお願いします」



「分かった。 ……おい、谷口君」



「はい、何でしょう」



「……!!」




一体、いつからこの部屋にいたのだろうか。



学園長が“谷口君”と呼ぶと、風のように現れてさっと学園長の隣に立った男の人。



背広姿の彼は、しゃんと背筋を伸ばして学園長の言葉を待っていた。




「アイスコーヒーを二つ用意してもらえるか? 一つはミルクをつけてな」



「かしこまりました」




谷口さんは淡々とした口調でそう一言だけ口にすると、さっさと歩いて部屋の奥へ消えていく。



そしてその奥にある扉を開けて、こことは違う別の部屋へと移動していった。