光を背負う、僕ら。―第1楽章―




そのことに気付いているのか、それとも気付かない振りをしているのか。



そのどちらなのか確信が持てないまま、ただじっと学園長の言葉に耳を傾ける。




「佐奈さん、喉は渇いていないか? 飲み物を用意させようと思うのだが、君は何が飲みたい?」



「えっ、いや。 飲み物なんて、結構ですよ」




本当は、とっくの前から喉が渇いていたけれど。



この場で気軽に飲み物を貰うなんていう考えは、あたしには到底有り得ないものだった。




「そんな遠慮はしなくてもいいのだよ。 何せ、夏に水分補給は欠かせないのだから」



「いや、まぁ……それはそうですけど」



「アイスコーヒーとアイスティー、どちらがいいかい? あっ、お茶がよければ麦茶も用意出来る。 それ以外が飲みたいならば、用意出来ないこともない」



「………」




遠慮するあたしなどお構い無しに飲み物の説明をしていく学園長。



その流れにあたしは逆らうことが出来ず、しまいには返す言葉さえ失ってしまった。