光を背負う、僕ら。―第1楽章―




あたしは未だに消えない緊張と不安を押し殺すように下唇を噛む。




「招かれていたのに、遅れてしまってすみませんでした」



「いや、全然構わないよ。 事情は先程来た君の学校の先生から、ある程度聞かせてもらったからね」



「………」



「まぁ、そこにずっと立たせている訳にもいかない。
どうぞこちらに来て掛けてくれ」




学園長は重い腰を上げながら部屋の真ん中にある応接スペースのソファーを指差し、あたしをそこへ誘導していく。




「…はい」




あたしは口数が少ない中で貴重な返事をして、案内されるままにソファーに腰を掛けた。



ソファーは先程まで学園長が座っていた椅子と同じ黒革で出来たもの。



硬くてしっかりとしたイメージとは違い、とてもふわふわとした素材を使っているらしい。



座り心地は良い訳でも悪い訳でもなく、気を抜けばそのままどこまでも沈んでしまいそうなぐらいへこんでいくソファーだった。



学園長はもう一つのソファーの、テーブルを挟んだ真向かいの位置に腰を下ろす。



その瞬間ちょうど目が合って、失礼だと思いつつも目を逸らした。