光を背負う、僕ら。―第1楽章―




「私ね、子供の頃にピアノを習ってたの。
だけど大きくなるにつれてピアノ以外の習い事に興味が湧いちゃって、ピアノは小学校の低学年ぐらいで辞めてしまったわ」



「………」



「…でも、中学生になって笹川さんの演奏を聞いたとき。
遠のいたはずのピアノに対する思いが急に蘇ってきたの」




湧き上がってくる、
ピアノへの熱い情熱。



15歳だった先生の胸の中では、それが渦巻いていただろう。



――そしてそれを、あたしも知っているんだ。




ピアノが好きなのに、
弾けなかったとき。



ピアノを求めて、
詩を作っていたとき。



反対されていても、
ピアノを弾いたとき。




……いつ、どんなときだって。



心はずっと、ピアノを求めていたんだ。



ピアノが大好きなこの思いのやり場を失って。



本当はずっと一人


……苦しんでいたのかもしれない。