光を背負う、僕ら。―第1楽章―

…そんなの違う。



あたしはそれを、“幸せ”だとは思わない。




確かにお母さんの言う通り、普通の生活を送ることが出来るのも幸せなのかもしれない。




でもね、違う。



人はみんな、様々な夢や未来を信じてる。



それが叶うか叶わないかなど問題じゃないくらい、夢中になってる。



そうやって夢中になっていく中で、人は自分自身の“幸せ”を見つけられるのではないのかな?




そもそも「普通」って何?



人には人の、人の数だけの生活がある。



そんな生活を、誰が「普通」だと決めるの?



……わからない。



お母さんが言いたい「普通」の意味が。




「ねぇ、わかってちょうだい。佐奈にはそういう生活が向いてるの。…ううん。そういう生活をしてちょうだい。」




尚も言い聞かせるような口振りで言うお母さん。



なんだかそのことが、悲しくてたまらない。




どうして――。



どうしてお母さんはこんなにも、あたしの気持ちをわかってくれないの?



どうして自分の意見ばかり、貫こうとするの?