光を背負う、僕ら。―第1楽章―

そんなあたしを見たお母さんは、少しだけ申し訳なさそうに口を開く。



その時の表情はさっき一瞬だけ見た、あの悲しげなものだった。




「佐奈の気持ちや、志や夢を、否定しているわけじゃないのよ?…ううん。むしろいいと思ってるし、理解もしてる。これがさっき“わかった”と言った理由。ここまでは、わかってくれた?」



「……うん。」



「でもね、私はその夢を応援することは出来ない。理由は私の体験のことがあるからってこともある。だけどそれ以上に私は、佐奈に普通の生活をして幸せになってほしい。…そう思ってるの。」



「普通の……生活。」




お母さんが言った言葉を呟いたことに、特に意味はなかった。



だけど、無性にその言葉だけがあたしを支配していくのがわかる。



耳から聞いたその言葉は脳まで伝わり、あたしの心にまで伝わる。



そしてその言葉は、心の中で芽生えた“夢”にまで到達した。



しまいには到達した言葉が、あたしの“夢”支配していく……。




そんなイメージがやけに頭の中に焼き付いて、離れなかった。