光を背負う、僕ら。―第1楽章―

しばらく聞いていたけれど、なかなか違いらしきものがわからない。




やっぱり違いなんて、ないんじゃないの?




最後の期待も込めて、そう思った矢先。




――それは突然訪れた。





♪~♪~♪・♪~♪♪




あれ…。


気のせいかな?




かすかに感じた演奏の違和感に気付くものの、気のせいかと思ってあたしは軽く聞き流した。



だけどそれも次第に、確信へと変わっていく。




♪♪・~♪~♪・♪♪




あっ、まただ…。



しかも今度は二回も。




…もしかして、これが違いなの……?




♪♪♪~♪~♪♪――




違和感が確かな確信に変わり始めた時、お母さんの演奏が静かに終わりを告げた。




「…違い、わかった?」




お母さんは振り向かず、ただピアノの正面を真直ぐ見据えてそう言った。



あたしがお母さんの言葉に答えることは、簡単なことだった。



だって答えはもう、決まっていたのだから。




でも、なぜだろう。



やっぱり現実を認めたくない気持ちの方が大きくて、すぐには声が出なかった。