光を背負う、僕ら。―第1楽章―

「じゃあ…弾くわね?」




返事をする変わりに頷くと、お母さんも頷いた。



そしてお母さんはゆっくりとしなやかな動きで指を動かし、実に8年振りとなるピアノの演奏を始めた――。





♪♪~♪~♪♪~♪♪




曲が始まった瞬間、聞き覚えのあるメロディーが耳からあたしの中に入り込んでくる。



曲目は『エリーゼのために』。




音楽の授業に鑑賞したこともあり、あたしも聞いたことのある曲だった。



だけど……違う。



授業の時に聞いたものとは何かが違う。



どちらも上手いって思えるのには違いない。



だけど、お母さんの演奏はそれだけじゃない。



まるで作曲者がこの曲に込めたものをすべて表現するような演奏で……。



だからこの曲に込められたものがすべてが、メロディーとともにあたしの中に入り込んでくる。



同時にあたしの肌には、鳥肌が立っていた。




……すごい。


上手すぎる。




目の前でピアノを弾くお母さんの実力に圧倒され、思わず身震いする。