光を背負う、僕ら。―第1楽章―

「本当に、前みたいに弾けないのよ。」



「…っ、でもっ…!」




そこまで言いかけて、言葉が詰まる。



だってあまりにもお母さんが、真直ぐな瞳であたしを見るから…。



わかってる。


わかってるよ。



何を言ったて、現実であることに間違いがないこと。



だけどどうしても信じていたいのは、1%あるかもしれない可能性を信じていたから。




前みたいな弾けないのは勘違いであるという、可能性を……。




「………。」



「佐奈が信じられないのも、無理ないかもしれない。違いは本当に些細なもので、すごく気付きにくいもの。それを7歳だった佐奈が気付くのは、至難の技だから。」



「………。」




もうそれ以上、返す言葉がなかった。




きっと、何を言っても変わらないんだ…。




改めて現実を目の前に突き付けられたみたいで、胸がとてもズキズキと痛くなった。



どうしようもない痛み。


変えられない現実。



痛みがそれを現実だと理解させるのに、どうしてもまだ、受け止められない。



なんせずっと、信じてこなかったぐらいだから。