光を背負う、僕ら。―第1楽章―

予想した通り、徐々にまたお母さんの表情が曇っていくのを、あたしは見逃さなかった。




ねぇ。


そんなに悲しまないでよ。



お母さんはもう、たくさん苦しんだでょう?



何度も、何度も…。



だからもう、これ以上苦しまないでよ。




儚い思いを願いに変えても、“今”という現実が変わってくれるわけがない。



だけど、願わずにはいられなかった。



何年経っても苦しむお母さんの姿を、見ていたら…。




「…だけどやっぱり、お医者さんに言われたことに間違いなんてなかった。ピアニストとして復帰出来るかということに関しては。」




ポツリポツリと話すお母さんの表情も声も、すべて幸せなものであればいいのに…。



そう思えるほどお母さんは、悲しみのオーラで包まれていた。




「リハビリを早くから取組んだこともあって、日常生活に支障が出ることはなくなった。これで問題はない。普通の人ならきっと、そう思えたんでしょうね。」