光を背負う、僕ら。―第1楽章―

その瞳は心に闇を抱えたままじゃなく、前を向こう、自分の足で進もうと決意した人の瞳だった。



さっきまでのお母さんとは、明らかに違う。



不幸な事故で負った傷を抱え込んで。



諦めよう、と意欲を喪失して。



何もせずに立ち止まってしまったお母さんじゃない。




もう一度、歩き出せる。



そんな勇気を胸に抱いた時のお母さんが、今再びここにいた。



だからこそ今のお母さんは、過去のことを話し出してから一番強く逞しく、光に包まれているのかと錯覚してしまうほど、一段と輝いて見えた。




「だからね、それからは心を切り換えて頑張った。怪我の治療も、リハビリも。そのおかげで、リハビリは成功。あまりの回復力に、お医者さんにも驚かれちゃったわ。」




ふふっ、とお母さんが笑みをこぼす。



おかげで張り詰めていた気持ちも緩み、つられてあたしも笑った。



確かにそこには、穏やかな空気が流れていた。



だけどそれも、長くは続かないことをあたしは悟っていた。



だってあたしはこの事の結末を、知っているのだから。



惜しくも悲しい、現実を…。